家族

お母ちゃんの自転車に、バカンカゴを縛りつけて、その中に五歳の私が入り、私は、毎日、幼稚園に通った。

 

家は二軒あった。

学区内に祖夫母や叔父・叔母が住む

家がありそこには、お姉ちゃんが

住んでいた。

そこから、四・五キロ離れ、開墾した

田畑の側にある家に、私たちがいた。

 

私は、四人兄妹の次女で、下に一歳

十ヶ月離れた妹がいた。

そのせいで二歳の時に、「これからは、

赤ちゃんがいるんだから、何処に行く

ときにも、抱っこはできないよ。」

と言われたらしい。

「その日から、何処に行くにも歩いて

着いてきてた。」と言われても、

私には記憶がない。

時々、泊まりに来る六歳上のお姉ちゃんを私は長い間、兄妹とは思えなかった。

 

妹を着せ替え人形にして、髪を結んだり

可愛い服を着せたりして、遊んでいた。

お兄ちゃんは、四歳年上で唯一の男の子

だったので、大切にされていた。

 

家の近くに店はなく、休みはほとんど

家の手伝いをしていたが、それは

当たり前だと思っていた。

 

そんなある日、お兄ちゃんに、病気が

見つかった。心臓弁膜症でした。

父は、田畑を売っても治すと言ったが

すぐには、手術ができないらしい。

母と兄は、祖歩に勧められて宗教に

入信した。