すすむべき道に

兄は大阪に行くことになった。

局が地元にはなく、地元には事務所

しか、ないからだそうだ。

 

中学になって、手伝いが少なく

なったのは、機械が増えたのと、

兄が、その機械で平日は、田畑の

整地などをしてくれていたから

だったのです。

 

兄が、家を出ていくことは、

父が、今住んでいる近くにある

田んぼを売った理由の一つだった

のかも知れません。

 

「これからは私が、手伝うから。」

と、父に伝えたのですが、

父は、何も言いませんでした。

 

N君は、卒業式の後、引っ越して

行きました。

私に、引っ越し先の住所が書かれた

紙を残して。

 

父の弟が、住む所が無いと言って

引っ越してきて、倉庫に住んでいた。

手狭になったので、家を建てたいから

倉庫を倒して良いかと言ってきた。

 

つまり、土地を分けてくれと言うこと

らしい、祖母にも頼まれ為か、父は

弟に、土地を譲った。

 

田畑が売れたお金も、兄弟で分けた。

叔母さんの、家のこともあるから、

父のすることに、文句を言うわけでは

無いが、叔父さんが母を気にもかけて

いないことが気になった。

 

兄は家を出て行ったが、田植えや

稲刈りのときは、休暇願いを出して、

手伝いに帰ってきた。

 

私は、自転車で高校に通いだした。