働こうと思えば、なんとか
なることはわかった。
今はまだ、必要なものはなく、
生活が成り立たないことも
なかったので、家庭に戻ったが、
思ってもなかったことを知り、
どう、動くべきかを考えた。
娘が、トラブルを抱えていた。
最初は他愛もないことだった
のだろうが、それは、大人の考え
なのだろう。
「○○ちゃん家って、家が二軒も
あるんでしょ、それって狡いよ。」
「あれは、お祖母ちゃん家だよ。」
官舎に住んでいる同級生に言われ、
軽い気持ちで答えた言葉が、
「じゃあ、引っ越ししたら
今の家を、ちょうだい。」
「お母さんに聞かないと、
わからない。」
そこから、いつ引っ越すのか?
そのうち、嘘つきと言われる
ようになったらしい。
たしかに家をたてた頃、いつ頃
引っ越すのかと、聞かれたことが
あったが、まだ引っ越さないと、
伝えていたと思う。
4年生になり、同じクラスになった。
彼女は、頭がよく先生受けも良く、
友達も多かったからか、発言力が
あることを、さほど気にせずに、
軽い気持ちで行った言葉
「○○ちゃんは嘘つき。」
が、回りに広がりいじめに発展
することになったようだ。
娘は目立つ存在ではなく、大人しい
性格だったが、幼稚園のときには
仲が良かった子に、酷いことを
言われたことがショックだった
のだろう。
私が、信じられなかったのは、
そんな子供達が、平気で家に遊びに
来ていたことだった。
懇談のときに、先生に相談した。
その時の担任が、しっかりした先生で
彼女を頼りにしていたことを反省され
早急に、対処すると言われた。
数ヵ月後、彼女の家族は官舎を出て
転校していった。
他の子供たちも、以前ほどかまわなく
なったらしい。
娘の人を見る目は、変わった。
人がいろんな面を持っていることは、
知っておいたほうが良いと思う。
人を信じるのも、信じた人に裏切ら
れるのも、自分の責任だから!