父の病気は?

父は、入院してすぐに手術をする

ことになった。

 

前から、痛みはあったらしいが、

お酒で、まぎらわしていたらしい。

私が、知っているかぎり、父が

病院に行ったのを見たことは、

なかった。

 

手術はすぐに終わった。

母と叔父が、説明を聞きに先生に

呼ばれたので、私たちは廊下で

待っていた。

父はまだ、麻酔のせいで寝ていた。

 

母と叔父が、診察室から出てきて、

今日は母が付き添うから、先に

帰るように言われた。

 

「父は胃潰瘍で悪いところはすべて

 取ったので、すぐに退院できる。」

と、叔父に言われた。

 

家に帰って、祖母に手術が早くすみ、

今は、麻酔で寝ていると伝えた。

食事の後、祖母は叔父の家に、

お医者さんの説明を聞きに行った。

 

私は、仕事が週末から忙しくなる

と、言われていた。

兄は、土曜日に帰ってきて父に

会ったが、父が田んぼの心配を

していたので、田植えをするために

早めに帰ってくるからと言った。

 

休みの日に、病院に行ったが、父は

ベッドに横になり、時々、痛そうに

していた。

 

「早う退院して、東京に行かんと

 田んぼが、忙しゅうなるわ。」

と、父が言うと

「あなたが、行かしてくれるからって、

 言うとるけど。」と、母が私に言った。

「いいよ、一緒に行ってくれば良いが。」

と、伝えた。

「無理せんで、ちゃんと治して帰って

きてな。」

また、来るからと言って帰った。

 

私は、父が早く帰ってくるものだと

信じていた。三週間を過ぎた頃

母から、父の腹部に水が溜まって

いるみたいだ、と聞いたときに、

手術、失敗したのかと思った。

 

みんなに、母が話かあるから、

早く帰ってきてと言われた。

 

母が、みんなに伝えたようとした

ことは、祖母も知っていたようだ。

祖母は、台所に行ってしまった。