ただより、高いものはない

近所の庭にテントが張られ、若い

女の子が、チャイムを鳴らして、

訪ねて来た。

 

「1時半から、催しがあるので、

 ○○さん宅に、来てください。」

と、言うと、彼女は隣の家に、

向かって行った。

 

時間が来ても、どうするか迷って

いたのに、裏のおばあちゃんが

呼びに来たので、行くことにした。

 

既に、たくさんの人がテントの中に

集まっていた。私は、一番後の席に

座った。

おばあちゃんは、係りの人に前の

席に連れて行かれた。

 

いろんな問題を出して、当たると

ちょっとした物をもらえる。

あまり、興味がなかったのて、

外に出た。

 

テントの裏の方に、羽毛ふとんの

ようなものが積まれていた。

私は、自宅の庭先で、おばあちゃんを

待っていたが帰ってこない。

 

迎えに行ったときに、他の人は

テントから出て、帰っていた。

 

嫌な予感がしたので、中に入って

行くと、何かの説明をされていた。

側に行って、用紙を見ると羽毛

ふとんのチラシを持っていた。

 

「おばあちゅん、ふとん買うの?」

「ようわからん。」

「おじいちゃんが、探しとったよ?」

 

無事、おばあちゃんは家に

帰りました。

ただより、高いものはない・・・

 

後日、自宅に電話がかかった。

「古くなった、ふとんはありま

せんか?

今なら、羽毛ふとんが安く買えて

要らないふとんを下取りします。」

「古い布団がありません。

 古くなっても打ち直します。」

 

そのあと、何を話したか覚えて

いないが、数分後に男性は、

「この仕事を、辞めることにします。」

と、言って

電話が切れた。